トヨタ自動車は6日、2020年3月期の連結業績予想を上方修正した。最終利益の見通しは、従来予想より2000億円多い2兆3500億円(前期比24.8%増)に引き上げた。ただ、主要市場の中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎拡大の影響は、「見通せない」(白柳正義執行役員)として、業績予想に織り込んでいない。
20年3月期の通期業績予想については、本業のもうけを示す営業利益も、従来より1000億円多い2兆5000億円(1.3%増)に上方修正。このうち750億円が、円安ドル高など為替の変動で、輸出の採算が改善した影響だという。
売上高予想は、29兆5000億円で据え置いた。通期の想定為替レートは、従来より1円、円安方向に見直して1ドル=108円とした。
同時に発表した19年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比1.6%増の22兆8301億円となり、4~12月期として3年連続で過去最高を更新した。営業利益は6.2%増の2兆587億円、最終利益は41.4%増の2兆130億円だった。日本や欧米での販売好調により、増収増益を確保した。
トヨタはすでに、新型肺炎の影響で中国の完成車工場の春節の休業を9日まで延長すると公表している。10日以降の稼働に関しては、7日までに判断する方針だ。