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新型肺炎関連倒産防げ 政府、中小の経営悪化警戒 資金繰り支援など

 新型コロナウイルスの感染拡大で経営悪化や倒産が懸念される中小企業に対し、政府が支援策を拡充している。資金繰りを5000億円規模で支援するほか、「下請けいじめ」の防止にも動いた。経営基盤の弱い中小企業は事業環境の変化で打撃を受けやすく、東日本大震災では2000件近い関連倒産が起きた。感染拡大の影響は中国などからの訪日客が減った観光関連産業だけでなく、製造業の生産にも波及しており、政府は警戒感を強めている。

 「インバウンド(訪日外国人旅行客)が減少し、今後、サプライチェーン(部品などの供給網)への影響も懸念されることを踏まえ、緊急対応策に企業活動への支援を盛り込んだ」

 梶山弘志経済産業相は14日の会見でこう述べた。

 政府の資金繰り支援では、売上高の減少が見込まれる企業などに融資。また経産省は大企業に対し、膨らんだコストを下請け企業に転嫁するなどの「不当な取引条件の押しつけ」を行わないよう要請した。

 支援の充実は新型肺炎の影響に対する警戒感の裏返しだ。政府の経営相談窓口への相談状況について関係者は「資金繰りの相談が多く、感覚的には、全体の7~8割を占めるほどだ」と打ち明ける。資金繰り支援では、自然災害の発生で売上高などが減少している中小企業を対象としてきたものも活用。東京商工リサーチによると、平成23年に起きた東日本大震災の関連倒産は足元でも続いており、今年1月末までで1943件に上るという。

 今回の感染拡大は裾野の広い自動車産業にも打撃を与えている。原材料の調達を中国に頼っていた企業や、国内外で生産が止まった完成車工場に部品を供給していた企業などの経営環境は急速に悪化している。業績悪化が表面化した米アップルと取引する日本企業への影響も懸念される。

 中小企業をめぐっては、新型肺炎の発生以前から、消費税増税や人件費の上昇、後継者のなり手不足などの問題が深刻化。政府は商工中金による無保証融資拡大や、下請け企業との取引の適正さを監視する調査員(下請Gメン)の採用を強化するなど、対応を急いでいたところだった。

 一方、新型肺炎への対策では、国内生産を強化する設備投資や販路開拓も支援する。「中国でつくれなくなった部品などを代替生産することが商機にもなる」(政府関係者)と、中小企業のしたたかさに期待する声もある。(高橋寛次)

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