日本工作機械工業会の飯村幸生会長は20日、東京都内での記者会見で、低迷が続く工作機械の受注について、「新型肺炎の影響で現地の工場がほとんど操業できていないところもある。中国国内の移動制限で、商談の長期化も避けられず、少なくとも受注回復の時期は3カ月程度は後ろにずれる」との見通しを述べた。
飯村会長は1月の賀詞交歓会で、受注は3月を底とし、そこを境に半導体関連がけん引役となって4~6月頃には回復に入るとしていた。
同日発表した1月の工作機械受注実績(確報)は、前年同月比35・6%減の807億7700万円で16カ月連続で前年同月実績を下回った。昨年から続く、米中貿易摩擦の影響による設備投資抑制の動きが衰えず、自動車関連を中心に受注の弱含みが続く。2月以降は新型肺炎による影響も懸念され、受注回復のきっかけがつかめない状況が続きそうだ。
内需は36・7%減の295億8600万円で14カ月連続の減少。3月公募開始予定の政府のものづくり補助金の申請待ちということも影響している。外需は34・9%減の511億9100万円で16カ月連続のマイナス。アジアは40・7%減の195億1100万円。このうち中国は35・4%減の107億4200万円にとどまった。欧州、北米も低迷が続く。