高論卓説

社外取締役の独立性確保、大株主牽制 「アスクル・モデル」の今後に注目 (2/2ページ)

 まずは、会社とも大株主とも一切関係がない候補者を探し、彼らに「抱負文」を書かせて総会前に公表。総会でも議案の評決の前に、質疑を受けさせる。株主総会の場で、その社外取締役が適切な能力を持っているか、判断してもらおうというわけだ。

 また、社外役員とCEOだけで構成する「指名・報酬委員会」で決めた人事案や報酬を取締役会は尊重しなければならないことを規定化した。それでも取締役会が無視したら、委員会の意見を総会で公表することもできると規定している。そこまでアスクルが独立社外取締役の権限にこだわるのは、実質的に支配権を持つ大株主がいる中で、どうやって少数株主の権利を守るかを考えた末のことだ。

 果たしてアスクル・モデルが日本の社外取締役選びの見本となっていくのか、注目したい。

【プロフィル】磯山友幸

 いそやま・ともゆき ジャーナリスト。早大政経卒。日本経済新聞社で24年間記者を務め2011年に独立。

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