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新型肺炎 クルーズ寄港中止206回 国内10港の年内見通しは数十億円の損失に

 新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)拡大の影響で、国際クルーズ船の受け入れが多い国内10港での寄港キャンセルが年内で少なくとも206回に上っていることが、21日時点の共同通信のまとめで分かった。業界団体によると、乗客による寄港地での消費は1回平均3000万~4000万円に上るとのデータもあり、経済損失は数十億円規模になる計算だ。

 2019年の寄港回数上位10港(国土交通省調べ)の地元自治体に、新型ウイルスの影響が広がった2月から年末までのキャンセルの状況を聞いた。

 港別では、大阪の37回が最も多く、次いで博多31回、那覇25回、平良22回、長崎21回など。月別では2月が121回、3月53回、4月23回、5~12月が計9回。平良と佐世保は2月の寄港がゼロになった。

 キャンセルはツアーの中止などに伴って運航会社側が通知してきた例がほとんどだが、乗客の集団感染で博多、佐世保などへの寄港を取りやめた「ダイヤモンド・プリンセス」や、アジア各国で入港を拒否された「ウエステルダム」のようなケースも含まれる。

 現時点でのキャンセル数は、10港合わせた19年の寄港実績(1305回)の16%に相当する。日本寄港は夏場がピークで、今年もまだ多くの予定が残っているが、感染終息が遅れればさらに膨らむ恐れが強い。

 大阪港を管理する大阪市港湾局には、最近は3、4月分のキャンセル連絡が毎日のように入っているという。

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