未来への羅針盤

ALiNKインターネット、災害対策に独自の気象予報士網

 気象情報配信サイト企画運営のALiNK(アリンク)インターネットは昨年末に東証マザーズに上場した。個人投資家の期待も高く、上場初日は初値がつかなかったほどだ。池田洋人社長は今後の事業課題について、気象に関するビッグデータの充実を挙げ、「全国各地の気象予報士と連携し、予報士の生の声を生かせる仕組みを整えたい」と、新たな目標を掲げた。

 年間のページビュー(PV)は40億件で、同サイトのツイッターアカウントのフォローワー数は280万に達する。気象情報サイトの中では最も規模が大きい。

 主な収入源はサイトの広告料。気象状況に合わせて広告を差し替える。広告主にとってはターゲットに合わせた販促展開に役立つ。そのことはサイト閲覧者の動向を解析できることを意味する。例えば関東在住の女性が10ミリ以上の降雨時にはどんなページを見る傾向があるか、といったことを分析できる。サイトはあらゆる情報が詰まったビッグデータの宝庫だ。

 同社は日本気象協会(東京都豊島区)と共同で天気予報専門メディア「tenki.jp(テンキジェーピー)」を運営している。気象情報、特に先々の予報に関しては気象予報士の資格など専門的なスキルが必要となる。

 気象予報士の有資格者は全国に1万人いるとみられるが、このうち気象庁並びに民間の気象情報配信会社などに籍を置く人は約2割にすぎないという。池田社長は「予報士資格を持つ医師や教師などが、自らの知識や経験、知見を元にした気象情報を提供できれば、災害弱者とされる人たちの役に立てられる」と話す。

 昨年は相次ぐ台風の接近や上陸、今年に入っても記録的な暖冬に見舞われ、異常気象が経済活動に大きな影響を及ぼしている。ALiNKは気象リスクの大きな業界ともいえる交通運輸、さらに損害保険などの金融関連業界の企業との連携により、気象情報を生かした新サービスの開発を検討している。上場で得た約2億円の資金は、こうした新サービスの開発などを担う専門性の高い人材の採用などに充てる考えだ。(松村信仁)

 全国には約380万の中小企業・ベンチャー企業が存在し、さまざまな社会課題の解決を目指して、新たなビジネスを立ち上げ奮戦中だ。この中から豊かな未来へ導く羅針盤となるような企業を随時、紹介していく。

【会社概要】ALiNKインターネット

 ▽社長=池田洋人氏

 ▽本社=東京都新宿区山吹町337 都住創山吹町ビル801

 ▽設立=2013年3月15日

 ▽資本金=1億3534万5000円

 ▽売上高=6億9400万円(2020年2月期予想)

 ▽従業員数=10人

 ▽主な事業=気象情報サイトの運営企画など

 ▽ミッション=未来の予定を晴れにする

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