北海道帯広市のベンチャー企業「エアシェア」は定期便のない地方や離島へ行きたい人に向け、小型機のオーナーとパイロットをインターネット上で引き合わせるマッチングサービスを1月から始めた。国土交通省によると、こうしたサービスは全国初という。
サービスの利用希望者は同社のサイトで人数、日時、離着陸する空港のほか、機体や事業用操縦士の資格を持つパイロットを選択。料金などの条件が合えば契約する。地方を含む国内約140空港で利用できる。
例えば県営名古屋-南紀白浜は約23万円(往復)、熊本-高知は約27万円(同)。料金はオーナーやパイロットそれぞれが求める報酬額などにより決まるが、搭乗人数の多寡では変わらない。同社は手数料として一部を受け取る。
国土交通省の担当者は同社のサービスについて「仲介サイトの運営で、航空法に基づく許認可は必要ない」としている。すでに航空機8機、パイロット20人が登録しており、今後拡大を目指す。
また同社は安全対策の充実を図る目的で、手持ちの金属探知機やアルコールチェッカーをオーナーに配布し、機体に備えてもらう。パイロットはこれらを利用し、乗客がナイフなどの危険物を持ち込んでいないかや、乗務前にアルコールの影響がないか検査に利用する。
エアシェアの進藤寛也社長(35)によると、事業用操縦士資格を持つものの、航空需要の低下でフライトの機会が減っているパイロットや機体は多いという。進藤社長は「陸路では時間がかかって行くのを躊躇(ちゅうちょ)するような所にも、ぜひサービスを利用し、足を延ばしてみてほしい」と話している。