昭和電工は28日、2月中を予定していた日立製作所子会社の日立化成に対する株式公開買い付け(TOB)の開始時期が遅れ、3月以降になるとの見通しを発表した。海外での独占禁止法上の審査が長引いているためで、約9600億円を投じて日立化成を買収する計画に変更はない。
日本をはじめ米国、中国、韓国、欧州連合(EU)など国内外での審査完了がTOB開始の前提条件になっているが、一部の国で終えていないという。昭和電工は「引き続き早期に手続きを完了するべく努める」としている。
日立製作所は28日、今回のTOB遅れの影響で、令和2年3月期の連結純利益予想を従来の1700億円から1千億円に下方修正したと公表。日立化成株の売却益などの計上が21年3月期にずれ込む見通しとなった。