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トイレを設置した中央快速線E233系、一体なんのために? (1/3ページ)

 オレンジの帯を巻いた、JR東日本の中央線快速。この3月14日より、トイレの使用が可能になることをご存じだろうか。すでに一部車両の4号車には車いす対応のユニバーサルデザイントイレが設置されているが、現時点で利用することはできない。ただ、未使用のトイレを目の前にして、「何かある」ことに気付いた人もいるだろう。

 トイレを設置するために、現在運用しているE233系のほかに、常磐緩行線の車両(209系)が塗色を変えた。中央線の車両が不足するので、その足りない本数を埋めるために運行しているのだ。

 長距離の通勤電車にはトイレがある

 通勤電車にトイレ? というと意外な感じを受ける人もいるかもしれない。確かに山手線や京浜東北線、中央・総武緩行線のような、乗車距離が短い路線の車両には、トイレがない。もし用を足したくなったら、電車を降りて駅のトイレに行き、その後ホームにも戻って後続の列車に乗ればいい。駅のトイレは改札内にあることが多いので、改札を出てそのぶん運賃が余計にかかることもない(なお定期券ならば途中下車も可能)。

 しかし、常磐線や上野東京ライン、湘南新宿ラインなど、長距離の路線は駅によっては途中で車外に出るとかなり待たなくてはならない。以前ならば、「近郊型電車」という、3ドア・セミクロスシートの車両が使用されていた路線である。また長距離の路線には、富裕層の利用や快適に乗車したい層の利用のためにグリーン車も設置されている。こういった路線の場合、同じような見た目の(帯の色が違う)車両でもトイレが付いているのである。

 長距離で本数の少ない路線では、どうしても車中で用を足すしかない状況がある。そういう状況のために、通勤電車にもトイレがあるのだ。また、そういった路線では、4ドアであっても一部でセミクロスシートの車両になっている。これも、長距離利用者への配慮である。

 中央快速線の置かれた状況

 中央快速線は、もともとは短距離の路線という扱いだった。東京から高尾まで、全部乗り通したとしても1時間から1時間20分程度の路線で、多くの利用者が短距離の利用だった。しかも、本数は多い。

 かつては、東京から高尾に向かう「快速」と、新宿から甲府・松本方面に向かう「普通」が別の列車として存在していた。前者は4ドアロングシート・トイレなし、後者は3ドアセミクロスシート・トイレありと違いがあり、新宿からの列車は高尾までは三鷹、立川、八王子にしか停車しなかった。

 ところが、セミクロスシートの列車は乗客であふれるため立川、八王子、高尾発となり、一方で1986年に大月まで特別快速などの運行が行われるようになった。大月までは、1時間40分から2時間程度かかる。長距離・長時間の運行となるものの、グリーン車もなくトイレもない状況が長く続いていた。

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