段ボール箱製造業のカワグチマック工業(兵庫県尼崎市)は、スウェーデン生まれのリサイクル可能な100%紙素材「リボード」の環境性能に着目し、イベントや展示会のディスプレーを木材から切り替えることで産業廃棄物になる木材を年間100トン超削減している。紙の原料は間伐材のため、使用することが森林保護につながる。川口徹社長は「昨年10月で創業50周年を迎えたが、リボード事業を第2創業と位置付けて市場開拓に力を入れる」と意気込みを語った。
軽量で木材並み強度
--リボードの特徴は
「紙素材なので軽量、紙素材なのに高強度という素材。1平方メートルで2キロ程度と木材の15~20%の重量でありながら、木材と同等の強度を持つ。軽量なので高所での設置のほか、つり下げても落下の危険性が少なく、木材や金属に比べ安全。しかも紙なのでカットや折り曲げ、曲面加工も可能でデザイン性に優れる。紙への印刷もきれいだ」
--扱いやすい素材だ
「加えて、密度の高いクラフト紙ベースで構成されており、車を乗せても耐えられる強度を持つ。このため重量物を乗せるディスプレーはもちろん、イベントブースや仮設店舗にも対応できる堅牢性、耐久性を実現する」
--環境性能は
「原材料はFSC(森林管理協議会)認証取得の間伐材を使用。軽いので簡単に運搬・組み立て・解体が可能な上、イベント終了後は分解して別の場所で保管して次回のイベントでも繰り返し使用できる。このようにリユースが簡単にできるだけでなく、最終処分時も再生紙原料としてリサイクルが可能なため産業廃棄物を削減できる」
--削減実績は
「リボードは同等の強度・厚みの木材と比較して5分の1から6分の1の重量であることから推計すると、本格的に売り出した2015年度の産業廃棄物木材削減量は60トン(リボード使用量12.1トン)だったが、16年度にはほぼ倍増の116トン(22.7トン)と初めて100トンを突破。18年度は過去最高の129トン(25.9トン)の削減に成功した」