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新型肺炎の影響で3~5月の宿泊施設予約が45%減

 37道府県にある約400の宿泊施設で、3~5月の予約人数が前年同期比45.2%減の計155万3502人となっていることが、日本旅館協会(東京)の集計で分かった。新型コロナウイルスの影響でキャンセルが相次いだ。各地の施設では顧客対応に苦慮する声も上がり、事態の深刻さが浮き彫りとなった。

 旅館協会には約2500の施設が加盟している。2月21日に会員に調査を依頼し、回答した施設を対象に25日にまとめた。集計後、政府による催しの自粛要請などで外出を控える動きが広がっており、直近の予約人数はさらに減っているとみられる。

 協会によると、回答したほぼ全ての施設で予約が落ち込み、50%以上の減少も少なくない。中には90%以上減ったり、予約人数がゼロになったりしたケースもある。訪日客だけでなく、日本人の団体旅行や高齢者らのキャンセルも目立つという。

 また、施設からは「当日のキャンセル連絡が多々あり、食材の廃棄が発生している」「怖いので行きたくないと学生の合宿がキャンセルされた」といった報告が寄せられている。従業員にマスク着用を指示したところ「客を感染源扱いするのか」とクレームを受けた事例もあった。旅館協会は「経営的に苦境に立たされている」として、26日に赤羽一嘉国土交通相宛てに要望書を提出。適切な情報提供や観光振興策の検討などを求めた。

 全国旅行業協会の調査によると、日本人による今春までの国内旅行のキャンセル・延期数は大幅に増加している。2月7日時点の調べでは2万2000人だったが、28日には35万6000人に拡大した。

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