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GAFAに対抗する日本発ビジネス続々 スマホの位置情報を集め匿名化 (1/2ページ)

 【ビジネス解読】

 スマートフォンから把握した個人の位置情報を匿名処理して分析することで、マーケティングなどに応用するビジネスが次々と実用化している。個人の膨大なビックデータのビジネス利用をめぐっては、日本勢はグーグルなど「GAFA」と呼ばれる米巨大IT企業の後塵(こうじん)を拝している。今後、位置情報の分析力に磨きをかけ、GAFAがまねのできないサービスを提供しようとしのぎを削る。

 スマホの位置情報をめぐっては、子供や高齢者の見守りサービスなどで利便性があるものの、プライバシー侵害の問題もあってビジネスの用途は限られていた。

 この課題を解決したのが、NTTドコモの位置情報サービス「モバイル空間統計」だ。個人データに秘匿処理をするなどしてプライバシーに配慮。1時間ごとの人口を24時間365日把握できることから、位置情報ビジネスの可能性が広がった。

 日本一の繁華街、新宿・歌舞伎町の500メートル四方の土地。昼食、夕食の時間帯は20代の女性が最も多いが、深夜になると男女の比率が逆転し、男性が多くなる。データを活用したコンサルティング、ギックス(東京都港区)が昨年12月から始めた新サービス「トチカチ」は、ドコモのモバイル空間統計に、天気や地図、行事などのデータを統合して分析。500メートル四方の地域における男女・世代別の滞在人数などのデータを、パソコンのウェブアプリを通じて提供する。

 データは、飲食店や小売業、宿泊業などの出店計画や競合店の調査、街づくり・町おこしの検討材料などとして活用できる。ギックスの加部東大悟氏は「位置情報のデータを活用すれば、これまで時間をかけて調査していた地域の人口実態がすぐに入手できる」と強調する。

 丹青社とドコモは平成30年7月から、モバイル空間統計などのICT技術を活用し、商業施設や文化施設などの空間づくりに役立てている。

 第1弾として協業したのが、空港の利用者事業調査だ。羽田をはじめとする国内10空港で、来場者がどこから来てどこに移動したのか、来場者の居住地、空港内における滞在場所・時間などの情報をモバイル空間統計で把握。これに、空港内の店舗の売り上げなど既存データを組み合わせて来場者の移動状況を可視化し、商業施設のデザイン設計や、来場者のニーズに合ったテナントなどを提案する。

 丹青社は「これまでは空港内の人の流入に関するデータが少なく、経験値で判断するしかなかった。可視化されたデータでエビデンス(根拠)を示せば、お客さまは投資の判断をしやすい」と指摘する。

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