遊技産業の視点 Weekly View

 □ぱちんこジャーナリスト、LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田

 ■新型コロナで余暇消費産業が軒並み打撃

 新型コロナウイルスは世界中に大きな影響を与えている。日本国内も同様であり、ぱちんこ業界もその例に漏れず。

 警察庁は政府の方針も受けてぱちんこ業界に大きく2つの点を要請した。一つは店内における接触感染の対策。どうやらこのウイルスは付着してから数日は生きているらしいので遊技客が触れる部分の常時消毒を全国のぱちんこホールに徹底するように要請し、全国のホールのほとんどが加盟する全日遊連も即座にその要請を傘下組合員ホールに呼びかけた。

 意外かもしれないが、ぱちんこ業界はクリンリネスに対する意識が高い店がとても多いため、この方針は多くのホール店内で実践されている。少しのぞけば店内を巡回するスタッフが空き台を見つけるたびにハンドルやコントロールパネル、ボタンなどを拭き掃除することを見かけることになる。今は接触感染対策としてそのペースが速くなっているだけだ。

 もう一つは広告宣伝の自粛。政府の方針として不要不急の外出を避けるということが企業などで一般化しつつある現在だけに、不要不急産業の雄として無理に集客を目的とした広告宣伝はしばらくするな、という要請である。これも全日遊連から傘下組合員ホールに対して即座に呼びかけされている。

 また、ぱちんこの広告を専門的に取り扱う業者が集まっているぱちんこ広告協議会という社団法人があるが、この協議会も同様の呼びかけをメンバー業者にしている。

 北海道では政府の方針とは別に緊急事態が宣言されており、さまざまな面で余暇消費産業が大打撃を受けている。道内のぱちんこホールにおいても同様であり、休業するところや営業時間を短縮するところも増えてきた。

 遊技機の部品を中国で生産している遊技機メーカーも多いことから、いろんな意味で大きな影響を受けているぱちんこ業界。どの業界にも共通するが、このウイルスの終息時期が読めないことから、先行き不安が高まっている。いつか終息することを待つしかない。

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【プロフィル】POKKA吉田

 ぽっか・よしだ 本名・岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月より本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長。

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