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米1兆ドル、日本30兆円 大規模経済対策相次ぐも効果は未知数

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界的に経済の低迷への懸念が高まる中、各国が大規模な経済対策を打ち出し始めている。日本政府も4月に緊急経済対策をまとめる予定だが、治療薬のない未知の感染症に由来する経済危機だけに、経済対策だけで人々の不安を拭い去るのは難しく、十分な効果が見込めるかは不透明だ。

 新型コロナの感染拡大を防ぐため、各国が入国制限などの対策を講じたことで、世界を行き来していたヒト・モノ・カネの流れが滞り、各国の経済に深刻な影響が生じ始めている。

 こうした中、安倍晋三首相は「今までの発想にとらわれない対策を取っていく」と表明。政府、与党は30兆円超の規模で経済対策を講じる方向で調整に入っている。日本ではリーマン・ショック後に事業規模約57兆円の経済対策を実施しており、昨年末に決定した経済対策26兆円と合わせると、リーマン並みの規模となる。

 米国は国民への現金給付や、航空会社など企業の支援策として総額1兆ドル(約109兆円)の経済対策を検討。現金給付は1人当たり1千ドル(10万9千円)とする案が浮上している。EUの欧州委員会も中小企業支援や雇用対策に約370億ユーロ(約4兆4千億円)を投じる方針で、財政規律に厳格なドイツも感染拡大で経営が悪化した企業に無制限の資金支援を行うことを表明した。

 ほかにも英国が資金繰りに苦しむ企業に3300億ポンド(約41兆円)の融資保証枠を設置する支援策を発表。フランスも450億ユーロ(約5兆3千億円)規模の経済対策を行うことを明らかにした。

 ただ、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストはこうした対策について「十分な効果が得られない可能性がある」と指摘する。新型コロナの終息が見通せない中では先行きへの不安は今後も残り、外出も制限されている中で現金給付をしても、貯蓄に回る可能性が高いからだ。木内氏は「本当に困っている個人や企業に集中的に支援を届けることが重要だ」と話している。

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