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内定暗転「リーマンのよう」 卒業直前、新型コロナで相次ぐ取り消し

 新型コロナウイルスの感染拡大で、経済界が打撃を受ける中、今春卒業予定の学生らの就職に影響が出始めた。学校には内定取り消しの相談が複数寄せられ、政府は学生らの保護を呼び掛けたが、実効性は不透明だ。来春卒業予定の学生らへの余波も懸念され、「就職難を招いた2008年の金融危機(リーマン・ショック)と同様の事態になるのでは」と心配する声が上がる。

 「あまりに突然で、信じられなかった」。東京都内の定時制高校4年の男子生徒(18)は2月末、「感染拡大で取引先が経営不振に陥り、中国からの部品納入が止まった」として、町工場から内定が取り消された。母子家庭で、家計を支えるため働く予定だったが、急遽(きゅうきょ)他の就職先探しに追われた。

 卒業直前の取り消し。学校の協力も得て片っ端から会社に電話し、3月中旬に何とか営業職の仕事を見つけた。「勤務条件は落ちるが、ウイルスのせいなので仕方がない」と語る。

 「内定を取り消したいが、どうしたらいいのか」。東京都内の弁護士のもとには、観光関連の事業者からこんな相談があった。外国からのツアーが6~7割減になったという。弁護士は「五輪のため採用数を倍増していたが、社員の雇用維持も難しく、とても抱えきれないと訴えていた」と明かす。専修大の4年生も1人、内定を取り消され就活を再開。就職支援を手掛ける「ジンジブ」(東京)には、高校生から「企業が選考を取りやめてしまった」と連絡があった。

 政府は13日、主要経済団体に対し、内定取り消しは最大限の経営努力で回避するよう要請。取り消した場合の就職先の確保や誠意ある対応を求めた。

 新卒だけではなく、来春以降に卒業する学生らにも影響が及ぶとの見方も。中央大キャリアセンターの担当者は3月上旬、ある企業役員から「来春の採用は控える」と伝えられた。専修大就職課の担当者も「リーマン・ショックの時は、その年以降の採用が大幅に縮小された」と危ぶむ。

 一方、文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所の平野恵子所長は、急に買い手市場に変わる可能性は低く、学生は過度に焦る必要はないと呼び掛ける。企業の採用意欲が減る可能性は指摘しながらも、業種によっては人手不足の状態が続くとの見方だ。「会社説明会の相次ぐ中止で情報収集の機会が減り、有名企業に人気が集中している。さまざまな規模や業種の会社を見ることが大切だ」と話している。

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