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クルーズ船寄港中止443回 国内10港 地元損失100億円超

 クルーズ船の受け入れが多い国内上位10港の寄港キャンセルが2020年2~12月で少なくとも443回に上ることが分かった。「ダイヤモンド・プリンセス」などで起きた新型コロナウイルス集団感染や、各国の出入国制限を受け、運航自体の中止が相次いでいるためだ。地元の経済損失は計100億円超とみられる。寄港は夏場がピークで、事態が長期化すればさらに膨らむ恐れがある。

 19年の国内外クルーズ船寄港回数が多かった上位10港を管理する自治体などに、新型コロナの感染が拡大した2月以降の寄港状況を聞いた。

 キャンセル総数は多い順に石垣(沖縄)86回、横浜81回、平良(沖縄)67回など。需要が多い7月以降のキャンセルも既に入っているという。

 3月のキャンセルは計159回で、横浜、神戸、博多(福岡)、那覇、石垣、平良の6港は3月の入港がゼロとなる。長崎、佐世保(長崎)、鹿児島3港も客を乗せないまま給水や燃料補給で着岸したケースのみで、23日時点でツアー客の乗り降りはないという。

 残るベラビスタマリーナ(広島県尾道市)はホテルなどを併設した民間所有の港で、発着する瀬戸内海周遊クルーズは3~4月運休している。

 日本外航客船協会によると、3000人以上が乗った船の場合、土産物購入や飲食など寄港地での乗客の消費は1回計3000万~4000万円。これを基に計算すると、キャンセルに伴う損失は130億~180億円程度に達する。

 日本への寄港は中国発が多いが、海外の一部会社はアジア圏のツアーを年内いっぱい中止。国内発も「安心安全を最優先に検討した結果」(郵船クルーズ)などとして、運休が広がっている。

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【用語解説】クルーズ船誘致

 2019年にクルーズ船で入国した外国人旅客は215万3000人で、中国発が80%を占めた。年間の寄港回数は外国の船会社が1932回、国内会社が935回。中国に近い九州・沖縄への寄港が多い一方、航空便で来日後、クルーズ船に乗る旅行者も増えており、寄港地は分散傾向にある。自治体は大型船を受け入れる岸壁やターミナルの整備、上陸後の観光ツアー企画を推進。政府は20年の訪日クルーズ客を500万人とする目標を掲げている。

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