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日本車の2月中国生産86.7%減 新型コロナ影響、欧米波及へ

 自動車主要8社は30日、2月の国内外の生産実績を発表し、中国での生産台数は前年同月比86.7%減の2万9911台と大幅に減少した。新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が停止していた影響が出た。

 海外生産全体も18.6%減の114万1214台に落ち込んだ。3月は中国の経済活動が再開し始めた一方、世界的な感染拡大で欧米やアジアなど各地で工場が一時停止に追い込まれており、各社の業績への打撃は大きくなりそうだ。

 2月の中国生産は、感染拡大の震源地の湖北省内に拠点があるホンダと日産自動車がそれぞれ92.4%減の5700台、87.9%減の7740台。トヨタ自動車が77.4%減の1万5311台。マツダが90.6%減の920台、三菱自動車が97.0%減の240台と、軒並み大幅な落ち込みとなった。

 また国内生産も、消費税増税による販売不振に、中国からの部品供給の停滞が重なったことで低迷。工場を一時休止した日産が29.3%減と落ち込んだほか、一部車種の生産順序変更を行ったマツダは16.4%減、ホンダも13.6%減となった。

 この結果、世界生産台数はトヨタが13.8%減、ホンダが26.0%減、日産が28.5%減、マツダ20.1%減、三菱自が12.9%減。世界販売台数は、欧米が好調だったトヨタが3.7%減と健闘した以外は、ホンダが24.4%減、日産が24.2%減など軒並み10%超の減少となった。

 一方、中国工場がないスズキとSUBARU(スバル)の2月の世界生産への新型コロナの影響は限定的だった。スズキは主力のインド市場の減速が響き4.6%減だったが、スバルは堅調な米国販売が牽引(けんいん)し14.7%増と伸びた。

 ただ、米国は3月に入って新型コロナの感染者数が世界最多となり、スバルも米工場を23日から停止した。同社関係者は「トランプ大統領がゼネラル・モーターズ(GM)に人工呼吸器製造を指示する“戦時”。とても車が売れる状況ではないのではないか」とうめいた。

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