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五輪の資材工場で労災多発 組織委・都が東南アジア調査

 東京五輪・パラリンピック会場の建設資材の調達先となった東南アジアの合板工場で、入院や病院搬送が必要になる労災事故が多発していたことが分かった。長時間労働が行われていた実態も判明した。大会組織委員会が設けた調達基準では、企業は安全で健全な労働環境を整えることを求められており、環境団体は「基準が守られていない可能性が高く、不適切な調達だ」と批判している。

 共同通信が情報公開請求で入手した組織委と東京都による現地調査報告書から分かった。

 組織委と都は共同で、2018年10月にマレーシア、同11月にインドネシアで木材の伐採現場や合板工場などを調べた。納入された合板は有明アリーナ、有明体操競技場、海の森水上競技場などの建設でコンクリートを固める型枠に使われた。

 報告書によると、マレーシアの工場では17年度に病院搬送を伴う事故が88件発生し、同国内の全産業の平均と比べ「事故率が非常に高い」と指摘。1日11時間、週6日勤務のため、疲労による集中力低下や注意不足が起こりやすい状況だと分析した。

 インドネシアの工場では16年から17年にかけて、入院25件を含む62件の事故が発生した。防護用具を着けずに作業している例が確認され、事故の要因になったとの見方を示している。

 組織委は「工場では改善策が実施されたことを確認している。調達に問題は無かった」とする。組織委は、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)に沿う形での大会運営や準備を目指す。SDGsには「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」とあり、組織委の調達基準では職場の安全確保や違法な長時間労働の禁止といった項目が盛り込まれている。

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