一連の問題に関しては、有識者の見解も割れている。帝京大の宿輪純一教授は「市場が混乱している状況下では、弱い株から売られる。そういった株を多く持つSBGも一度売られ始めると加速するだろう」と、ムーディーズの格下げ評価に一定の理解を示す。一方、SMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストは「借金を返そうと思えばすぐに現金化できる資産を保有しており、子会社の配当という安定収入もある。負の側面がフォーカスされすぎている」と否定的だ。
グロービス経営大学院の斎藤忠久教授は「借金に対して十分な資産があると見るかで、評価が分かれる」と解説する。31兆円の資産と、6兆円の借金を単純比較すれば資産の方が多く見える。ただ、資産の中には非上場の株式などすぐに売れないものも多く、評価は難しいのだという。
特に見極めが難しいのが新型コロナの影響だ。各国の感染対策で世界をめぐっていたヒト・モノ・カネが滞る中、財務基盤の弱いベンチャーはより大きな影響を受ける。実際、27日にはSBGの有力投資先の英衛星通信会社「ワンウェブ」が経営破綻しており、SBGが投資する他の企業への影響も懸念されている。
4・5兆円の資産売却を発表した際、「当社の事業に対する揺るぎない自信に基づくものだ」と強気のコメントを出した孫氏。これまでのように、周囲の心配を跳ねのけて成長していく姿を見せられるのか、その手腕に注目が集まっている。(経済本部 蕎麦谷里志)