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国産輪ゴム生産100年 ワンタッチでつけ外しできる進化 (2/2ページ)

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 現在、国内シェア6割を誇るオーバンド。その生産や出荷量は1950年代から1980年代にかけては増加し続けていた。しかし、1990年代に入ったころから、ゴム産地のベトナムをはじめインドネシア、マレーシアなどからの安価な輸入品に押される形で減少傾向にある。

 「東南アジアでの加工技術が向上し、日本人のニーズに応えられる製品をつくれるようになった」と池田さん。さらに安価に製品製造する国内他社も加わって出荷量減少に拍車がかかったという。

 そんな中でも、共和は新製品の開発に力を入れ、輪ゴムの国内トップシェアを守る努力を続ける。

 製品企画・技術開発グループは約30人で構成。そこで平成28年に家庭向けに販売されたのが、輪ゴムに小さなタブがついた「たばねバンド」だ。束ねたいものに巻き付けて、タブにひっかければ簡単に固定できる。もともと電線や家電メーカーの工場でハーネスなどを縛るための業務用として使われていたゴムバンドを改良した。ワンタッチでつけ外しができる優れもので、「家庭用にあってもいいのでは」と商品やパッケージのデザインを練った。

 「大阪ギフトショー春 2016」の新製品コンテストでグランプリに輝いたほか、文具の展示会に初出展するなど、同社にとって輪ゴムの新しい挑戦のきっかけになったという。

 このほか、赤やピンク、水色などカラフルな製品も登場して国内トップメーカーとして輪ゴムの可能性を追求し続けている。同社の企画・マーケティンググループのチームマネージャー、城戸康志さん(42)は「新しいアイデアの商品を通して消費者とのコミュニケーションを広げ、暮らしの中で幸せを感じてもらえるオーバンドの発展に向けて常にチャレンジしていきたい」と力を込めた。

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