新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、安倍晋三首相が緊急事態宣言の対象となる7都府県の全事業者に出勤者の「最低7割減」を求めてから、初の平日となる13日を迎えた。既に多くの企業がテレワーク(在宅勤務)を取り入れていたこともあり、都心で働く人の姿は大きく減った印象だが、業種や職種によっては出社を余儀なくされるケースもある。営業自粛することで要請に応えている事業者からは、長期化を懸念する声も上がっている。
「1週間ほど前から準備を始めており、本社勤務者は7割削減を既に達成できている」。オンワードホールディングス(HD)の保元道宣社長は、同日開いた電話会議による決算説明会でそう強調した。
政府が7日に緊急事態宣言を出して以降、多くの企業がテレワークや時差出勤などによる感染拡大対策を強化してきた。三井物産は対象地域の本社や支社への出社を禁止としたほか、トヨタ自動車も13日に同県内の事業所について、電車やバスなど公共交通機関で出勤する従業員について原則、在宅勤務を開始した。日本生命保険も14日から、全国の営業職員5万2500人を原則在宅勤務とし、これまで対象としていた7都府県の2万1500人から大幅に拡大させる方針だ。ただ、テレワークに不向きな業務や、出社が不可欠なケースもある。
東レも出社している社員は2~3割程度というが、「経理や製品の出荷に携わる部門など出勤しないとできない仕事もあるため、全員テレワークは難しい」(同社広報)という。ほかにも、社内システムのメンテナンスや、情報セキュリティーの面で在宅勤務ができないケースや、顧客企業の要請で出社せざるを得ないという企業は多い。
生活インフラを担う業界も、サービスの質を落とせないため7割削減は難しそうだ。大阪ガスも3月31日の時点で原則在宅勤務の方針を決めたが、在宅勤務ができているのは社員約5000人の約3割にとどまる。保安などにあたる人員を確保する必要があるためだ。
全国に40万人超の従業員を抱える日本郵政グループも郵便局の窓口を間引くなど、従業員の出勤を減らす努力はしているが「実際はなかなか減らすのは難しい」(広報部)という。
政府関係者は「すべての業務で7割削減ができないのは承知している」としつつ、「いまのままでは感染が抑えられないのも事実」と理解を求める。