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お金を大量供給する「ヘリコプターマネー」 新型コロナ感染拡大のリスクも (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が経済に深刻な影響を及ぼす中、政府と中央銀行が大量のお金を社会に供給する政策「ヘリコプターマネー」が改めて脚光を浴び始めた。感染拡大は企業活動や消費行動を大きく制約しており、大量のお金を消費者の手元に届けることで雇用の維持や需要の下支えにつなげようという発想だ。ただ、ヘリコプターマネーは極度の物価上昇などを招きかねず、禁じ手と位置づけられてきた経緯もある。新型コロナとの「戦争」の名の下での正当化にはリスクもあり、日本ではより穏健な政策も提唱されている。

 「すべての米国民にお金を直接払うことの利点はすぐに実現できることだ」

 オバマ政権下で経済政策のアドバイザーを務めたベッツィー・スティーブンソン米ミシガン大学教授は3月中旬のラジオ番組で、国民への資金支払いに全面的な賛意を示した。

 米国では、新型コロナの感染拡大で経営維持が難しくなった企業による従業員の解雇が相次いでいる。スティーブンソン氏は「家賃が払えず、食事を用意できず、請求書を処理できないでいる人たちを助ける」ことが最重要だと主張する。

 こうした声を背景に、トランプ米政権が打ち出す2兆ドル(約220兆円)の経済対策には大人に最大1200ドルの現金を給付するなどの項目が盛り込まれた。歳出拡大に伴って国債の発行増が見込まれる中、米連邦準備制度理事会(FRB)は国債を含む資産を大量購入する量的緩和政策を再開している。

 お金をばらまくメリット

 「ヘリコプターマネーが現実になる瞬間」

 英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は3月21日、こう題した記事を掲載した。スティーブンソン氏のほか欧州の経済政策研究機関のトップや英国の金融当局の元トップらの言葉を引用しながら、ヘリコプターマネーへの関心が高まっていることを紹介する内容だ。

 ヘリコプターマネーとは、政府と中央銀行が大量の資金を国民に供給する政策を指す。経済学者のミルトン・フリードマンが1969年の著書の中で、社会に出回るお金の量が増えることが人々の消費行動に与える影響を分析する際に持ち出した「ヘリコプターから紙幣がばらまかれる」という例え話に由来する。

 ヘリコプターマネーの結果、人々がより多くのお金を手にすれば、消費が増えて企業の売り上げも増えると想定される。そうなれば雇用の維持も可能になり、人々は中長期的な収入も確保できる。ばらまくお金の調達方法は政府が国債を発行し、中央銀行が直接買い取るなどのやり方が考えられる。

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