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株主総会に各社頭悩ます リスクの多人数開催を避け小規模・ネット主流に

 新型コロナウイルスの感染拡大で、6月下旬に集中する3月期決算企業の株主総会の開催が危ぶまれている。経済産業省などは、企業が来場株主数を制限することを認め、結果的にゼロになっても総会を開催できるとの見解をまとめた。既に株主へのインターネット中継を視野に入れている企業もあり、5月になっても収束が見通せなければ、各社は延期や開催規模縮小の本格検討に入る見通し。総会でのネット活用が進む契機にもなりそうだ。

 「株主の皆さまとの年に1度のコミュニケーションの好機としてきたが、それを許さない状況だ。健康を優先して時間を短縮したい」

 3月30日、東京都内で開催した定時株主総会で、GMOインターネットの熊谷正寿会長兼社長はこう理解を求めた。休日に開催して例年、1000人を超える来場者を集めてきた同社の総会だが、今回は小規模開催にかじを切った。お土産をやめ、日程を平日に変更。ネット中継する一方、来場には慎重な判断を呼び掛けたこともあり、会場に来た株主は18人にとどまったという。

 その後も状況は深刻さを増している。主に6月に総会を開く3月期決算の上場企業は約2340社。東京証券取引所の今月の調査で「総会の延期を検討している」と答えたのは回答企業の5.6%に過ぎなかった。延期は株主への配当支払いの遅れや役員人事の停止につながるため、容易ではない。どのような形で総会を開催するかは各社の判断だが、感染拡大を防ぐことは重要な課題となる。

 各社が参考にするのは今月、経産省と法務省がQ&A形式でまとめた見解だ。企業が株主に出席を控えるよう呼び掛けたり、来場者の人数を制限したりすることを認め、「自社会議室を活用するなど、例年より規模を縮小することも可能だ」という内容。ネットのみの開催に言及していないのは会社法上、難しいからだ。

 Q&Aでは明示されていないが、入場を制限する一方で、会場に来ない株主への情報提供も必要なため、「ネット中継を請け負う会社に問い合わせが殺到している」(経産省幹部)という。ネットや郵送による事前の議決権行使を促しつつ、経営トップら必要最小限の役員が小さな会場に集まり、株主にネット中継する-という形での開催が増えそうだ。ただ、中継では通信障害のリスクを避けながら質疑や動議をどう行うかなどの課題も残っており、各社の創意工夫が問われる。(高橋寛次)

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