中小企業へのエール

テレワーク 楽しい在宅勤務へ国の財政支援を

 新型コロナウイルス騒動で一躍脚光を浴びる「テレワーク」。その社会的意義を明るく、分かりやすく普及している田澤由利さんと話をする機会があった。彼女は奈良県出身。大手電機メーカーでバリバリ働くも、出産と旦那さまの転勤に際して退職し、在宅でも働ける仕組みを模索して日本に「テレワーク」という言葉を定着させた人物だ。(京都先端科学大・旭川大客員教授・増山壽一)

 彼女の拠点は、東京から約970キロ離れている北海道のオホーツク海に面した北見市である。この北見から、全国各地にいる160人以上のスタッフと連携して、テレワークの推進を図っている。彼女の推奨するテレワークシステムを見て感じたのは、テレワーク自体が楽しいということだ。

 まず、画面が大きい。そして会議参加者の会議室への入退室表示がかわいい。当初テレワークは、さまざまな事情で退職した女性への働きの場の提供であったが、今や、高齢者や障害者、鬱病などの精神疾患の方、また人口減少に悩む地方創生の目玉とも評され、最近では新型コロナで自宅勤務を余儀なくされる一般雇用者の切り札となっている。

 しかし一方で、ある新入社員の声。楽しみにしていた初任者研修などが突然オンライン研修となり、一日中モニターの前にスーツを着て座らなければならないのが、いかにもつらい、とのこと。もっと在宅勤務を楽しくして、新型コロナ収束後も定着させることが、「災い転じて福となす」といえるのではないだろうか。

 具体的には、まず自宅のモニターを大きくして壁面につける。Wi-Fi(ワイファイ)環境を整備する。そして、カメラ映りをよくするためのちょっとしたスタジオ作りが肝心だ。

 照明、背景幕、カメラ、音響などを用意する。女性は、早朝や深夜でも自動メークでビジネスモードとなるようなソフトもあると便利である。このようにテレワークを楽しく継続していくためには、いろいろとお金がかかる。

 これから始める中小企業、各種法人、個人事業主を対象とした環境整備の助成金などもあるのでうまく活用し、引き続き企業や政府にはこれらのものに経済的、財政的な支援をお願いしたい。併せて、学校の一室を改造してオンライン教室に変える。病院の一室をオンライン診断室に変える。これらに国家財政を使う必要がある。

【プロフィル】増山壽一

 ますやま・としかず 東大法卒。1985年通産省(現・経産省)入省。産業政策、エネルギー政策、通商政策、地域政策などのポストを経て、2012年北海道経産局長。14年中小企業基盤整備機構筆頭理事。旭川大学客員教授。京都先端科学大客員教授。日本経済を強くしなやかにする会代表。前環境省特別参与。著書「AI(愛)ある自頭を持つ!」(産経新聞出版)。57歳。

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