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JFEが西日本でも高炉停止 鋼材需要急減、全従業員の一時帰休も協議

 JFEスチールは15日、新型コロナウイルスの感染拡大による鋼材需要の急減を受け、西日本製鉄所の倉敷地区(岡山県倉敷市)の高炉1基を4月末をめどに、福山地区(広島県福山市)の高炉1基を6月末にそれぞれ一時休止すると発表した。倉敷の高炉は休止後、改修作業に入る予定だ。需要減に伴う業績悪化に対応するため、5月から全社の従業員約1万6000人を対象に一時帰休を実施する方向で労働組合と協議していることも明らかにした。

 新型コロナの影響で自動車大手が国内外の工場を相次いで生産停止とするなどしており、鉄鋼業界の経営環境は厳しい。最大手の日本製鉄も需要減を受けて製鉄所の中核設備である高炉2基の一時休止などを決めた。

 JFEの西日本製鉄所では現在、6基の高炉が稼働中だ。このうち一時休止が決まった倉敷地区の高炉は改修工事のため2021年9月に停止する予定だったが、前倒しする。福山地区の高炉は送風を停止し、再稼働ができる状態にしたまま休止する措置を取る。持ち株会社のJFEホールディングスの20年3月期連結最終損益は1900億円の赤字に転落する見通し。将来的な鋼材需要減への対応策として、23年度をめどに東日本製鉄所京浜地区(川崎市)の高炉を休止すると3月に決定したばかりだった。JFEスチールは「今後も鉄鋼需要の動向を注視し、需要に見合った柔軟かつ迅速な対応を実施する」とコメントした。

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