三越伊勢丹ホールディングス（ＨＤ）が、三菱ＵＦＪ銀行と三井住友銀行に対し総額８００億円の融資枠の設定を要請したことが１５日、分かった。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、首都圏の６店舗を８日から休業するなど業績悪化の懸念が高まっており、手元資金を確保するのが狙い。
三越伊勢丹ＨＤは百貨店事業が売り上げの大半で、休業中の日本橋三越本店、銀座三越、伊勢丹新宿本店の３店が占める割合が高い。３月の既存店売上高（速報）は前年同月比３５．１％減と過去最大のマイナスとなり、４月はさらに落ち込む見通しだ。現状で手元資金は潤沢だが、休業期間が長期化する恐れも考慮して備えを始めた。
感染拡大の影響で、企業が銀行に融資枠設定を要請する動きが相次いでおり、他の百貨店も同様の対応を取る可能性がある。