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水戸の老舗酒造が65度ウオッカ製造 「家飲み」に一役 

 水戸市の老舗酒造会社、明利(めいり)酒類は、アルコール度数65%のスピリッツ「メイリのウオッカ65度」を発売した。新型コロナウイルス感染拡大を受け、国内の老舗酒造会社が消毒液代わりにもなるアルコール度数の高い商品開発に乗り出す中、同社は「度数を高め、少量でも長く楽しめるよう作った」と胸を張る。特に重点的な対策が必要な「特定警戒都道府県」に指定された本県では「巣ごもり需要」向け商品として注目を集めそうだ。

 65度のウオッカは一般的な消毒用エタノールに近いアルコール度数だが、同社ではあくまでドリンク専用として作っており、消毒や除菌などの用途は想定していないという。度数が66度を超えると専用の製造ラインが必要になるため、新商品は同社にとって、現状の設備で製造できる最高度数のウオッカだ。

 同社では、以前からウオッカをベースにした高アルコール缶酎ハイの人気の高まりや、東京五輪に向けたインバウンド需要を見据え、度数の高いウオッカの製造を検討していた。今回リリースしたメイリのウオッカ65度は、国産シラカバの炭で丁寧に濾過(ろか)し、糖類などは加えず、不純物の少ない商品に仕上げており、高度数ながらも丸くて飲み口の良い味わいが特徴。味や香りにクセがないため、果汁100%の果物系ジュースで割れば、フルーツの味を残したまま強い酒の風味も楽しめるという。

 また、同社は外出自粛要請などを受けて来店客の減少が見込まれることから店頭販売だけではなく、インターネットや電話を通しての配送にも応じている。担当者は「外出自粛ムードで気持ちが沈む中、(家飲みなどで)ぜひ試していただきたい」と話している。(永井大輔)

 明利酒類は、日本酒「副将軍」や県産サツマイモを使った焼酎「漫遊記」などで知られる水戸市の老舗酒造。現在は清酒やリキュール、発酵調味料も作る総合酒類メーカーとして国内はもとより販路を海外にも拡大している。問い合わせは同社(029・247・6111)。

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