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飲み会から保険申し込みも 新型コロナ影響で広がるオンラインサービス (1/2ページ)

 政府の緊急事態宣言発令を受け、対面サービスがオンラインに移行している。飲み会の設定から、保険の相談、お見合いまでさまざま。現在の状況は短くとも1カ月は続く見通し。各事業者とも改善を重ねながら、生産性や収益力、将来性などを見極めることになりそうだ。将来、ビジネスモデルとして定着する可能性もある。(粂博之)

 1日で12・5万人

 「あっ来た、来た」「おーい、聞こえるか」「そろったね、乾杯」

 参加者が杯をかかげる様子が分割された画面上に。遅れて来る人もいて「飲み会」は深夜まで続いた。

 1010株式会社(東京)のオンライン飲み会サービス「たくのむ」だ。同社のサイトで飲み会の“部屋”となるアドレスを取得し仲間に伝えると、無料で最大12人が集まれる仕組み。それぞれが自宅で飲みながら会話を楽しむ。

 3月28日のサービス開始から10日余りで累計利用者数は20万人を超え、緊急事態宣言発令後初の週末となった4月11日は1日で約12万5000人が利用した。清瀬史社長は「新しいサービスを開発したとツイートしたら一気に拡散した。まさかここまで利用されるとは」と驚きを隠さない。

 現在は「赤字垂れ流し」だが、参加者数が一定以上の場合は有料化することも検討中で「収益が上がったら一部は飲食店の支援に回したい」。たくのむ利用中に出前を注文できる機能などを追加していく計画という。

 生産性向上

 生命保険各社の商品を比較し申し込みができる「保険市場」を運営するアドバンスクリエイト(大阪市)では、オンラインによる申し込みが急増。3月は1426件と前年同月比約1・8倍となった。

 担当者によると「在宅している人が増えているためだが、ウイルス感染拡大のせいか医療保険の需要も高まっている」。保険市場の店舗約600店(うち直営12店舗)は営業時間を短縮したこともあり、オンラインでの顧客との面談は全体の6割を超えたという。

 相談に応じる社員のなかには在宅勤務を選んだ人もいる。同社は、申し込んだ人の自宅への訪問なども減らすことができるため、社員の生産性は上がると期待。「便利さは明確。緊急事態宣言が解除されても、逆戻りすることはないだろう。オンラインでの相談、申し込みは定着する」と予想している。

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