金融

地域金融窓口がパンク寸前 不要不急の依頼増で緊急融資業務に支障

 新型コロナウイルスの感染拡大による在宅勤務などの広がりを受け、地方銀行や信用金庫といった地域金融機関の来店客が急増し、窓口業務がパンク寸前の状態に陥っている。自宅にいる時間が延びた預金者が、不安心理も相まって近所から押しかけているとみられる。休眠状態の口座に残った小銭を引き出すなど不要不急の依頼が目立つ。感染リスクも高まり、「窓口崩壊」の危機に金融機関は、本来必要な中小企業への緊急融資業務に支障が出かねないと訴えている。

 「ウイルスが付いているかもしれない。新札に替えてほしい」「自宅を片付けていたら古い通帳が出てきた。200円残っているので引き出したい」。信用金庫大手の城南信用金庫(東京)の川本恭治理事長によると、こうした申し出が支店窓口で後を絶たない。

 外出自粛の呼び掛けが強まって以降、来店客は増加の一途で、取引に影響がない住所変更や記念硬貨の両替も多い。

 城南信金は感染リスクを抑えるため出勤者を2班に分けており、現在、支店の人員は通常の半分以下。川本氏は「融資申し込みは平時の約4倍に膨らんでおり、職員は単純に8倍の負荷がかかっている」と話す。職員は連日夜9~10時まで書類作成に追われている。

 貸し出し業務ができないゆうちょ銀行でも、東京都心部の支店の来店数が約7割少ない一方、住宅地の店では1割程度多い。大阪府北部の支店では窓口の待ち時間が90分待ちとなったこともある。九州の地方銀行の幹部は「大手銀行に比べインターネットバンキングを使う人が少ないことも来店数増加の要因」と分析。「地域密着を掲げる以上、『不要不急の用件で来店しないで』とは言いにくい」と頭を抱える。

 金融界の危機を受け、全国銀行協会の三毛兼承会長(三菱UFJ銀行頭取)は4月28日、「急ぎでなければ来店を控えてほしい」と呼び掛けた。

 新型コロナの緊急融資 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が緊急対策として打ち出した中小企業や個人事業主に対する実質無利子・無担保の融資制度。政府系の日本政策金融公庫などに加え、5月から民間金融機関も始めた。小規模事業者の融資申し込みが多い日本公庫には4月26日時点で約33万件の申し込みがあったが、融資決定は約17万件にとどまっている。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus