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3密なしの野菜直売所を駐車場で展開 フードロス抑制も狙う新事業

 新型コロナウイルスの感染拡大で稼働率の落ちた駐車場を野菜の直売所として活用する事業が、東京と関西で始まった。買い物客は「3密(密集、密閉、密接)」を避けることができ、駐車場オーナーは使用料金を得られる。出荷するのは都市近郊農家で、ふだんレストランなどに納入しているこだわりの野菜も用意。外食自粛で行き場を失った野菜を廃棄する「フードロス」の抑制も狙う。(粂博之)

 在宅勤務の合間に…

 5月1日の昼下がり、堺市北区の住宅駐車場に、新鮮な野菜約20種類がズラリ並んでいた。「大きなカボチャやな」。在宅勤務の息抜きに家族4人で散歩中の男性が足を止めた。北海道から届けられた熟成の蔵出しカボチャだった。

 1個200円。ほかにも地元の生産者によるトマトやエシャロット、キャベツ、ちょっと珍しいオータムポエムなどがあった。

 「このあたりは、公園が近いから結構人が通りますよ。(直売所を開くのに)いい場所じゃないですか」

 こう話した男性は、子供が試食したトマトとカボチャを買い求めた。この日の営業時間は午後1~6時で、買い物客が14組に上った。

 予約なくても買える

 事業は4月27日に始まった。今後、東京都内で4エリア、関西で10エリア程度を予定している。

 直売所は、住宅や店舗などの空き駐車場を時間貸しするシェアリング(共有)サービスを展開するakippa(アキッパ、大阪市)と、直売所・農園の検索サービスを運営するYACYBER(ヤサイバー、同)が、それぞれのノウハウを持ち寄り運営する。

 野菜を買いたい人はヤサイバーのサイトで注文。野菜は、アキッパが利用者宅の近くで確保した空き駐車場に生産農家が配送する。

 利用客は、スマートフォンで値札のQRコードを読み取ると支払いができる仕組み。予約以外の野菜も運び込んであり、通りかかった人もスマホ決済や現金で買える。

 生産農家を支援

 スーパーでの3密を緩和できないか、野菜直売所の場所を確保できないかと、以前から交流のあったヤサイバの唐沢太郎社長とアキッパの金谷元気社長が4月下旬に話し合って、「すぐに決めた」という。

 ヤサイバーに登録する生産農家は約5千人。生産者同士で品物を転送して、直売所に持ち込むこともできる。唐沢社長は「(外食の自粛といった理由で)レストランなどから生産農家への注文が減っている。新たな販路を確保したい」と話す。

 また、アキッパに登録する駐車場は全国に約3万5000拠点に上る。同社広報グループの森村優香さんは「外出の自粛やイベント開催の中止で、駐車場の稼働率が下がっている」と話し、直売所の運営で「空き駐車場を有効に活用できる」と期待している。

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