経済インサイド

新型コロナでリニア計画見直し懸念 工事の半分中断、JR東海の憂鬱 (2/2ページ)

 整備計画の財務面の裏付けの一つが、高い収益力を誇る東海道新幹線だが、新型コロナの影響で、出張などのビジネス利用や観光利用が激減している。東海道新幹線の旅客収入の減少や低迷が続けば、自己負担の見直しを迫られる可能性も出てくる。

 大量輸送や定時制に影響

 東海道新幹線の大量輸送や定時制という強みについても、新型コロナ感染防止対策が思わぬ影響をもたらす可能性がある。

 政府や地方自治体の外出自粛の要請に伴い、可能な限り在宅勤務が励行され、会議がインターネットを通じて行われるなど、一部の業態ではこれまでとは働き方が変わりつつある。対面によらないビジネスが常態化すれば出張の機会が減り、新幹線のビジネス客数が感染拡大前の水準に戻らないことも予想される。

 新幹線の定時制を維持してきた車内清掃にも波及する可能がある。JR東海は東京駅に到着した東海道新幹線の車内清掃を効率化し、折り返し発車にかかる時間を短縮してきた。今年3月のダイヤ改正では、「のぞみ」が1時間当たり最大10本から12本に増便された。全列車を最高速度時速285キロのN700Aに統一したことに加え、これまで約12分だった清掃時間を約10分に短縮したことで実現した。

 新型コロナの感染予防策を考慮した場合、効率化した部分をより丁寧に作業しなければならなくなる。観光レジリエンス研究所の高松正人代表は「清掃時間を切り詰めることで、1時間当たりにのぞみが最大12本のダイヤを実現したが、清掃時間が再び長くなれば、現行のダイヤは難しくなるだろう」との見方を示す。

 JR東海は今後、本格的な人の移動や経済活動の再開時期を見据え、新たな戦略が求められる転換期を迎えている。(岡田美月)

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