JR東日本、東海、西日本、九州のJR上場4社の2020年3月期連結決算が11日出そろい、4社全てが減収減益となった。新型コロナウイルスの感染拡大で新幹線利用者が減り、商業施設や物販、ホテルなどのグループ事業の売り上げ不振も足を引っ張った。
この日発表したJR九州は売上高が前期比1.8%減の4326億円、最終利益も36.0%減の314億円となり、16年10月の株式上場後初の減収減益。九州新幹線の運輸収入は4.8%減り、記者会見した青柳俊彦社長は「コロナの影響は経験したことのないようなものになった」と語った。
JR東日本の売上高は1.8%減の2兆9466億円と8年ぶりに減り、最終利益も32.8%減の1984億円。台風19号で浸水した北陸新幹線の車両の廃棄費用も響き、特別損失が膨らんだ。
JR東海の売上高は1.8%減の1兆8446億円、最終利益も9.3%減の3978億円となり、10年ぶりの減収減益。東海道新幹線の運輸収入が2.4%減の1兆2613億円と低迷し、流通や不動産などの業績悪化も重しとなった。
JR西日本の売上高は1.4%減の1兆5082億円、最終利益も13.0%減の893億円。浸水した北陸新幹線の廃棄費用30億円を特別損失として計上したのも響いた。
新型コロナの影響を現時点で見通せないため、21年3月期の業績予想は全社が未定とした。