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羽田新線を国が工事、JR借用で調整 当初案2倍超の本数確保

 JR東日本が建設計画を進める羽田空港と東京都心直結の新路線「羽田空港アクセス線」に関し、国が空港内の地下トンネルや駅の基礎工事を担い、同社が借用して営業する方向で調整していることが、関係者への取材で分かった。JRが1時間当たり8本とする当初案の2倍超の本数を最終的に確保する見通しであることも判明した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、今年に入り航空需要は世界的に失速しているが、国は「首都の玄関口」として羽田の機能強化は不可欠とみている。JRの負担を軽減し、各地と結ぶ鉄道路線の充実を図る考えだ。

 関係者によると、アクセス線の建設費は3000億円程度と見込まれていたが、人件費や資材費の高騰で3800億円程度まで膨らむとみられる。空港内の工事だけでも数百億円規模という。

 アクセス線は東京都品川区の東京貨物ターミナル付近から羽田空港までの約5キロは地下トンネルになる。国土交通省は今後、京急電鉄と東京モノレールが乗り入れる地下のトンネルや駅などに、アクセス線を建設しても影響が出ないかどうかを調査。結果を踏まえて、駅の基本設計や構造物の建設に着手する。

 アクセス線は東京駅を経由し茨城、栃木、群馬方面と結ぶ「東山手」、新宿駅経由の「西山手」、新木場方面の「臨海部」の計3ルート。JRの試算では、国内線新駅との所要時間は東京駅約18分、新宿駅約23分、新木場駅約20分。関係者によると、西山手は中央線経由で山梨、長野方面に、臨海部は東京ディズニーリゾート最寄りの舞浜駅へ直通する構想がある。空港内の駅は国内線と国際線に置く見込みだ。

 JRは昨年、東山手の環境影響評価(アセスメント)に着手し、2029年の開業を目指す。アセス計画には、1編成15両で1時間8本の案を盛り込んだ。

 羽田では京急も列車の入れ替えをスムーズにするため「引き上げ線」の新設計画を進めており、1時間当たりの運転本数を6本から9本に増やす方針だ。

【用語解説】羽田空港

 ターミナルは3つ、滑走路は4本ある国内最大の空港。2010年に国際線が復活した。今年3月からは国際線の発着枠を増やし、東京都心上空を通る新飛行ルートの運用も始まった。今夏に予定されていた東京五輪・パラリンピックを念頭に置いた国際線の拡充策だったが、新型コロナウイルスの蔓延が直撃。利用客が激減し、新たに開業した第2ターミナルの国際線施設は4月11日から閉鎖された。

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