中小企業へのエール

ICT環境整備で大きく変わる働き方・学び方

 この4月から大学での授業が始まり、若い学生たちとふれ合いともに成長したいと意気込んでいたが、残念ながら今回の新型コロナウイルス騒動で、春学期の対面授業が現状見送られてしまった。私は受講生たちと、双方向型のオンライン授業に取り組む決意をした。そこでの経験と今後の課題などを紹介したい。(京都先端科学大・旭川大客員教授 増山壽一)

 まず、どのシステムを使うか。Zoom(ズーム)、Teams(チームズ)、Hangouts(ハングアウト)、BlueJeans(ブルージーンズ)など数多くある。これまで参加したテレビ会議でさまざまなシステムを使い一長一短はあるが、使い勝手ではやはりズームだ。だが直前、米国側からセキュリティー上問題が多いという情報が出され、また無料プランの上限が100人までということもあり、結局チームズに決めたのだった。

 正直、国防などのよほどの重要機密情報でなければ、セキュリティーと利便性をてんびんにかけると、これからのオンライン化においては利便性が重要かと考える。しかし両方をかなえるシステムが、日本企業において早く商品化されることを期待している。

 次に舞台セットだ。ライトやウェブカメラ、マイクなどを用意。在宅ならではの、生活感あふれる空間への悩みを解決するために、チームズやズームには自由に背景を変更できる機能があるので、一度使ってみると面白い。

 政府は、この先さらに必須ツールとなるICT(情報通信技術)環境の整備を早急に進める必要がある。わが受講生からは、どの授業もオンラインになってしまい通信容量が足りないといった問題も多い。

 例えば、簡単にテレワーク(在宅勤務)やオンライン授業、あるいは遠隔医療が行えるよう、各地にサテライトオフィスや、自宅にワークスペースを作ることに財政的な補助をする。通信技術の革新を加速、具体的には高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムを早急に整備することも大事である。

 また、これまでの役所や企業でのはんこ文化、原本至上主義文化をはじめ、選挙活動での超アナログ的な握手やポスター配布などを全面的に変えていくことが、今回のコロナによる教訓ではないかと考える。

 大昔、職場にファクスが導入されたとき、上司が部下にファクスを送らせて、その上先方に受信の確認電話をしていた嘘のような時代があった。

 その後、メール、SNS(会員制交流サイト)を使わない人は誰もいなくなったようにICT化は一気に進む。ぜひ、皆さんもビデオ通話を使ってみたらどうか。最初は慣れなくても、今後なくてはならないものになる。

【プロフィル】増山壽一

 ますやま・としかず 東大法卒。1985年通産省(現・経産省)入省。産業政策、エネルギー政策、通商政策、地域政策などのポストを経て、2012年北海道経産局長。14年中小企業基盤整備機構筆頭理事。旭川大学客員教授。京都先端科学大客員教授。日本経済を強くしなやかにする会代表。前環境省特別参与。著書「AI(愛)ある自頭を持つ!」(産経新聞出版)。57歳。

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