高論卓説

企業の業務変革が新型コロナで加速 テレワークや紙不使用が日常に (1/2ページ)

 緊急事態宣言が延長された。いずれは行動制限も緩和されていくだろうが、今秋には新型コロナウイルスへの感染が再拡大する第2波が襲い長期戦になるとの見方もある。こうした中で、企業は仕事のやり方を見直す必要に迫られている。密な環境下での業務は、従業員や顧客を感染リスクにさらす。リモートワークなどの新しい働き方が試行錯誤されているが、それが「日常」になると考えた方がよさそうだ。(小塚裕史)

 ウィズ・コロナ、ポスト・コロナに向け、デジタル技術の活用は避けて通れない。通信回線、電子機器、アプリなど、在宅での業務を可能とするインフラを整えることが大前提となる。社員へ貸し出しや費用補助を行う企業も現れ始めた。

 幸いにして、「GAFA(ガーファ)」や「Zoom(ズーム)」をはじめ、便利な製品・サービスを安価で使えるようになった。だが、種類が非常に多く、自社に合った技術や製品を選定するだけでも一苦労だ。導入後の活用や運用にも労力がかかる。セキュリティーの確保も重要な課題だ。このための体制づくりが急務だ。

 新しい技術の導入だけでなく、既存の業務システムの再点検も必要だ。どの企業にも、顧客情報や受発注から請求・入金を管理するなど、事業活動に不可欠なシステムが存在する。だが、オフィスに行かないとシステムが使えないというケースも少なくない。「古い技術を使っている」「上司のサインが必要」など、理由はさまざまだろう。だが、ルールの変更を含め、社外で使えるようにすることを考えるべきだ。

 業務そのものの見直しも必要だ。一時的な避難措置を施して元の状態に戻るのを待つのではなく、新たなプロセスやルールを構築するのだ。従来までのやり方を見直す良い機会ともいえる。

 一例は、紙の廃止だ。紙がある限り、印刷、ファイリング、郵送などのために、オフィスに出向かなければならない。「必要な資料は電子化する」「契約書や請求書から印鑑をなくす」など、例外なく紙を使わないようにする。「重要情報はパソコンに残さず、一定時間経過したら回線を切断する」などのセキュリティー対策をうつ。

 対面を前提とした営業活動では、顧客訪問の頻度や回数が重要視される。直接会って関係性をつくって商売につながる。今後は、顧客に会わないことを前提とした、新たな商談方法を真剣に考えなければならない。

 業務の見直しに対しては、「今のやり方が一番良い」「顧客との関係があるので難しい」など、反対意見もあるだろう。だが、そうも言っていられなくなった。当の顧客としても業務を見直す必要性に迫られているはずだ。業界の商習慣に問題があるのであれば、業界全体の変革を進める機会になるかもしれない。

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