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放置竹林使い国産メンマ商品化 宇都宮のタケノコ農家ら「一石三鳥」目指す

 「竹害」なんて言わせない-。驚異の成長力で近隣の樹木の生存を阻み、生態系をも変えてしまう「放置竹林」対策の一環として、国産メンマ商品化の動きが宇都宮市のタケノコ農家を中心に進んでいる。若竹を刈って放置竹林の拡大を抑え、食品メーカーに納入し収益化、消費者の国産ニーズにも対応する「一石三鳥」の仕組みを目指す。

 風が吹くとさぁーっとササ鳴りが立ち上がり、心地よい空気が流れる広大な竹林。宇都宮市の「ワカヤマファーム」は良質なタケノコのために日々農場を整備。映画やCMのロケ地としても知られ、観光客にも人気だ。

 7年前、若山太郎社長(51)に市内のラーメン店から「国産メンマを作れないか」と相談があった。流通するメンマの原料はほぼ全てが中国からの輸入品。商品化のパートナーで、国内シェア4割の「丸松物産」(東京)によると、多様化するラーメン業界で国産品の需要は高く、約4万トンある流通量の10~15%を国産にする目標を掲げる。

 国産品の製造工程は、1~2メートルに育った孟宗竹の若竹を切り倒し、湯がいて乾燥させて同社に出荷する。田植え後で時間がある農家も作業がしやすく、背丈が低いため伐採・運搬も簡単だ。流通するメンマの原料「麻竹」が持つ独特なにおいがない製品になるのも強みだ。

 放置竹林対策の狙いも。竹は地下に張り巡らされた茎から次々生え、放置すると外に拡大する。2カ月で20メートル育つものもあり、葉が周囲の樹木の日照を遮り枯らすこともある。竹林面積はこの30年で約14%広がり、活用法の情報交換をする「竹イノベーション研究会」代表の佐藤研一福岡大教授は「農業や土木、バイオマス発電などさまざまな分野で情報を求める人が全国にいる」と話す。

 若山さんは「竹が大好きなのに『竹害』という言葉があるのが悲しい。メンマを通して邪魔者のイメージを払拭したい」と意気込み、夏の商品化に向け5月中旬に実演講習を開く。ラーメンの人気の具は竹林対策にも一役買えるか。

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