金融

上場地銀、7割が減益・赤字 20年3月期 利益10%減

 東京証券取引所などに上場する地方銀行の2020年3月期決算が19日までに、ほぼ出そろった。決算を発表した76社の7割を超える56社が前期よりも最終利益が減ったか、最終損益が赤字に転落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、最終利益の合計額は前期比10%減の7640億円と4年連続で減った。超低金利で利息収入が低迷する中、新型コロナウイルスの影響による融資先の経営悪化に備えて貸倒引当金を積み増したことが追い打ちとなった。

 同証券は「上場地銀の最終利益合計額は、12年3月期以来8年ぶりの低水準になったとみられる」と分析。外出自粛などで全国的に経済活動が縮小する中、地域経済を支える地銀の業績が一段と悪化すれば、融資姿勢にも影響が出かねない。

 56社のうち53社は最終利益が減り、みちのく銀行(青森市)と清水銀行(静岡市)、島根銀行(松江市)の3社は最終損益が赤字に転落した。

 貸し出し利ざやの縮小だけでなく、保有する株式などの有価証券の運用も振るわなかった。減益となった地銀でも関西みらいフィナンシャルグループ(大阪市)は前期比94%減、三十三フィナンシャルグループ(三重県松阪市)は92%減となるなど減少率が2桁となる地銀も多かった。

 増益となったのは、傘下銀行の合併に伴う特別利益を計上して最終利益が倍増したふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)を含む19社で、シェアハウス向け不正融資問題に関連した不良債権処理額が大幅に減ったスルガ銀行(静岡県沼津市)は赤字から黒字に転換した。

 21年3月期は、53社が前期と比べて最終利益が減ると予想する。収束時期が見通せない中で新型コロナの影響を業績予想に反映できていない地銀も多く、同証券の安岡勇亮アナリストは「融資先の倒産が増え、想定以上の打撃を受けるリスクは大きい」とみている。

 上場地銀は78社あり、15日までに全社が決算発表を終える予定だったが、南都銀行(奈良市)と福岡中央銀行(福岡市)の2社は新型コロナの影響で作業が遅れるとして、いずれも今月下旬に延期した。

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