OWNERS CLUB代表取締役 岩屋秀一朗さん(40)
--外壁や通路、屋上をはじめとする建物全体の修繕、補修、防水工事などを通じたメンテナンスを毎月定額料金で提供するサービス「メンパク」を展開している
「大規模な修繕工事には多額の資金が必要で、不動産オーナーにとっては経営を圧迫する要因となる。メンパクは期間15年、毎月定額制の契約なので、手元資金を使わず建物のメンテナンスができ、キャッシュフローを圧迫せずに済む」
--不動産経営の改善につながるということか
「修繕工事のために数千万円規模の費用をかけてしまうと、次の物件が買えず、不動産オーナー業として成り立たなくなる。不動産で稼いだお金は次の不動産を買うための資金として使うことが不動産経営では正しいお金の使い方とされる。メンパクは不動産経営の改善に役立つサービスだ」
--工事を請け負う側の利点は
「防水業や塗装業などの業者側には繁忙期や閑散期がある。特に閑散期に、預かっている物件にトラブルが生じないよう補修して備えておけば、安定的に収入を得る形で人材を投入し作業を進めることができる」
--契約棟数は伸びている
「2012年10月に一般提供を始め、20年3月時点で150棟まで来た。関東、関西、九州で承っている」
--個人などの不動産オーナーで、長期的な視点に立って保有物件の修繕計画を策定しているオーナーはどれほどいるのか
「ほぼいないだろう。本来は、修繕費の調達のために手元資金を支出し、銀行融資を受けるなどのやり方は不動産経営の良い方法とはいえない。定額制の修繕サービスの仕組みができたので、修繕ではこの流れが当たり前になると期待している」
【プロフィル】岩屋秀一朗
いわや・しゅういちろう 医療機器の営業職などを経て岩山産業入社。2011年、同社専務取締役。12年、OWNERS CLUB(オーナーズ・クラブ)設立、代表取締役就任。定額制でマンション修繕などを提供する「メンパク」を全国に展開する。福岡県出身。