当面の苦しさをしのぐ後ろ盾が、企業連合だ。27日発表の連合の分業計画は3社間の「生産の集約」を明記した。日産は東南アジアなど弱い地域での事業で思い切った削減を決断できるうえ、日米中3市場や自動運転技術などでは「リーダー」として受託生産での工場稼働率改善や技術使用料などが見込める。内田氏は連合が「固定費削減、売上高増に貢献する」とする。
ただ効果を迅速に出せるかは不透明だ。3社の車種の半数を分業体制に置き換えるのは5年後が目標で、早期の収益貢献は期待しにくい。まずは単独で固定費削減を進めるほかない。
また、新型車投入の裏打ちとなる資金力について内田氏は、新規融資などで「現時点では十分」としつつ、手元資金の確保が「最大の課題で今後の経営指標」と難しさを認める。“コロナ後”は車へのニーズが変質する可能性もある。反転攻勢の実行へ、難しいかじ取りが続きそうだ。(今村義丈)