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日産、20年3月期は6712億円赤字

 日産自動車は28日、内田誠社長体制で初めて中期経営計画を改定し、2023年度までに世界の生産能力を2割削減し540万台へ引き下げると発表した。構造改革の一環で、インドネシア工場を閉鎖するほか、スペインのバルセロナ工場も閉鎖に向けて協議を進めることを明らかにした。

 新型コロナウイルス感染拡大以前から世界で販売減少が続いて収益構造が急激に悪化しており、20年度の固定費を、18年度に比べ3000億円削減する。

 内田氏は決算記者会見で、「失敗を認め、正しい軌道に修正する。選択と集中を徹底し、構造改革を断行する」と強調した。

 西川(さいかわ)広人社長時代の昨年7月の中期経営計画では、22年度に年600万台を販売し営業利益率6%を目指すとしていたが、これは主力市場の米国事業の改善と成長が前提。報酬不正で退任した西川氏に代わって昨年12月に内田氏が就任したものの、米国での収益構造は好転まではいたっておらず、昨年度の世界販売台数は493万台。新型コロナの影響が直撃する今年度は一層の低下が必至で、さらなる規模縮小を決断した。

 同時に発表した20年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業損益が404億円、最終損益は6712億円のそれぞれ赤字だった。通期赤字はリーマン・ショック後の09年3月期以来11年ぶり。固定資産の価値を引き下げる減損損失と構造改革費用を合わせて計6030億円を計上したことが響いた。

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