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東大IPCが新ファンド 企業から独立したベンチャーに投資

 東京大学発ベンチャーキャピタル(VC)の東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC、東京都文京区)は、企業から独立(カーブアウト)したベンチャー企業を主な投資対象とする新たなファンド(基金)を立ち上げた。同社のファンドは2本目。国立大学発VCが複数のファンドを持つのはこれが初めてとなる。

 新ファンド「AOI(アオイ)1号」の規模は約28億円で、東大のほか三菱UFJ銀行、三井住友銀行も出資した。ファンドの運用期間は15年。「企業とアカデミアとの連携」をコンセプトに置き、事業支援のドリームインキュベータやアスタミューゼ(同千代田区)と組んで、独立後の事業を支援する。また既存の東大発ベンチャー企業との協業関係の構築も後押しする。

 新ファンドからの最初の投資案件として、武田薬品工業発創薬ベンチャーのファイメクス(神奈川県藤沢市)に2億円、ユニ・チャーム子会社のOnedot(ワンドット、東京都目黒区)に5億円の出資をそれぞれ決めた。

 研究成果などを生かした新規事業の創出が大企業でも相次ぐが、新型コロナウイルス流行に伴う事業環境の悪化で新規事業への支援が難しくなっている。また短期間で事業を軌道に乗せるには多くの資金も必要で、新ファンドではそうした大手企業の求めに応えてくれそうだ。

 28日のオンライン会見で、東大IPCの大泉克彦社長は「新ファンドを通じて企業のオープンイノベーション(組織の枠を超えた協業)を支えたい」と語った。

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