日本遊技関連事業協会(日遊協、会長・庄司孝輝氏)はこのほど、「パチスロプレイヤー調査2019」を発表した。パチスロ参加人口の維持・拡大につなげる施策を導き出すための基礎資料となる本調査は、日遊協広報調査委員会が毎年行っている「パチンコ・パチスロファンアンケート調査」の付属調査として実施。エンタテインメントビジネス総合研究所とシーズが調査分析に協力した。今回は、5号機から6.0号機への移行が進む中で、パチスロの「参加人口」「参加率」「頻度」「満足度」の経年劣化を確認し、遊技者の動向や考え方を把握すること、6.0号機の遊技状況や遊技者評価および遊技者が今後求める6.0号機を探索することを主な目的とした。
調査は1月15~19日までインターネットで実施し、18~79歳の男女のうち1万サンプルを人口構成比に合わせて抽出。現行プレーヤー層1513サンプル、休止者層453サンプルについて分析を行った。
報告書では、2019年の参加人口は809.4万人(前年比約150万人増)となり、一昨年レベルまで回復。参加人口が大幅に回復したのは30代以下で、前年比で計100万人近く増加。参加状況として、この1年以内に始めた割合が低いことから、新規層ではなく再開層による増加と考えられると説明した。30代以下の人口が増加した要因については「使えるお金や時間が増えた」や「誘われた」などが考えられる。一方で「勝ちやすくなった」割合が前年よりも減少したことや、19年末の旧基準5号機の撤去で遊技をやめたいと回答している層がいるため、5号機撤去時における参加人口の減少が懸念されるとした。
6.0号機の遊技経験は18年の6割から8割まで上昇したが、6.0号機の理解度は5割程度にとどまっている。ただ、6.0号機の遊技理由について「好きなコンテンツ」「AT中の高純増に期待できそう」「低投資で遊べそう」の項目が前年よりも上昇したことから、6号機特有のゲーム性が浸透した部分も見受けられる。一方、6.0号機で継続して遊びたくない理由として「勝てなかった(勝ちにくく感じた)」といった理由が挙げられた。
今後の対策としては、参加人口が一昨年レベルに回復したのは6.0号機の第一印象の良さや旧基準5号機の打ち納めによるものと考えられることから、パチスロ参加人口を維持・拡大するためには旧基準5号機が市場から完全になくなる前に、現状の6号機の出玉性能面における改善などの検討・対策が必要であることなどを挙げた。