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宿泊施設厳戒 手探り再開 入浴制限、宴会の席横並び…

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の全面解除を受け、宿泊施設が受け入れを再開している。全国のホテル、旅館でつくる業界団体は感染拡大を防ぐための対応指針を策定。温泉の入浴人数制限や、横並びで座る宴会など、従来のスタイルとはがらりと異なり、戸惑う場面もありそうだ。

 業界団体が指針

 日本旅館協会などがまとめた指針は、留意すべき原則として「従業員と宿泊客、宿泊客同士の接触を避け、できるだけ2メートル以上の距離を確保」と明記。客が集まりがちなチェックイン時は、館内説明を口頭ではなく文書で配る形を例示した。

 大浴場も感染リスクが高いとされる。指針は入場制限を推奨し、入浴中は人と距離を保ち会話も控えるよう求める。業界関係者は「入浴時間を区切るなど理解を求めるしかない」と話す。

 食事の注意点も多い。宴会場では向かい合わず横並びで着席。鍋や刺し身盛りなどの料理は大皿ではなく1人ずつ配膳し、お酌は控える。料理を取るトングを使い回すビュッフェ形式は避け、セットメニューに変更する。

 日本旅館協会の佐藤英之専務理事は「指針はあくまで一例」とし、従業員数や施設規模に応じた対策が必要と説明。「宿泊施設で集団感染が発生すれば衝撃が大きい。何としても避けなければならない」と強調する。

 事業者も対応を始めた。国内外42カ所でホテルを運営する星野リゾート(長野県軽井沢町)は、客同士の接触を避けるため、一部の施設で客室内のチェックインを採用。大浴場は、客のスマートフォンで空き状況が分かるシステムを順次、導入する。

 魅力が半減

 一方、対策に悩むケースもある。福島市の飯坂温泉は、旅館やホテル39軒のうち、6月1日時点で32軒が営業中。日帰り客や地元住民も利用する共同浴場は人数を制限するが、中小規模の宿泊施設が多く「大がかりな対策は難しい」(旅館関係者)。

 大分県竹田市の古民家を改築した簡易宿「たけた駅前ホステルcue(キュー)」は、宿泊客同士やスタッフとの垣根のない交流が売りだ。経営する堀場貴雄さん(40)は「接触を避ける対策を徹底すれば宿の魅力が半減する」と漏らす。

 宿は4月2日から休業していたが、客の受け入れ数を減らして6月1日に再開した。インターネットでチェックイン、決済ができるシステムを導入。宿泊客の交流スペースは人数制限や定期的な消毒を行い原則、利用可能にした。「楽しく快適に過ごしてもらえる方法を模索していきたい」。堀場さんは力を込めた。

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