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燃料枯渇など人工衛星の延命支援 宇宙ベンチャーが新サービス

 宇宙ベンチャーのアストロスケール(東京都墨田区)は3日、新興国向けに人工衛星延命サービスを新たに始めると発表した。新興国では経済成長が進み、宇宙利用を目指すケースが増えており、新サービスを通じて新たな需要を開拓する。

 新サービスの開始にあたり、同社は英国の宇宙関連企業エフェクティブ・スペース・ソリューションズのイスラエル拠点を2日までに譲り受けた。アストロスケールの新サービスを担う拠点として活用する。費用は、データセンター運営のアイネットから5月までに調達した資金の一部を充てた。

 具体的には、燃料枯渇などで寿命切れが間近な人工衛星の後方から、アストロスケールの衛星が近づいて捕捉。制御は地球上から遠隔で行う。延命だけでなく、故障や寿命切れとなった衛星を、宇宙空間に葬り去るための軌道である「墓場軌道」への誘導も行う。

 一般的に人工衛星の打ち上げには1回当たり200億~500億円程度かかるとされる。しかも、必ず成功するともかぎらないことから、多くを打ち上げることは新興国にとってリスクが大きい。世界200カ国超のうち、人工衛星を持つ国は約60カ国。そのうちの約3分の2は自国の衛星が1つしかないとされる。岡田光信最高経営責任者(CEO)は「打ち上げのリスクを少しでも減らしたい新興国の需要が見込める」と話す。

 アストロスケールは、故障した人工衛星など宇宙空間に漂うスペースデブリ(宇宙ごみ)の除去を目指し、2013年に設立。デブリ除去のための実証実験衛星の今年中の打ち上げを目指し、準備を進めている。新型コロナウイルス感染拡大により、開発中の衛星の通電試験などは遠隔で行っている。

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