新型コロナウイルス感染拡大の影響で、在宅勤務を導入する企業が増えた。中には、米フェイスブックやグーグルといった企業のように在宅勤務を年末まで延長するケースや、ツイッターのように、無期限の在宅勤務措置の決定をする企業も出始めている。これは海外企業の事例ではあるが、少なからず、今後、日本企業にも影響があると思われる。(アタックス研究員・坂本洋介)
このように、在宅勤務がある程度、定着していく中で、私たちが当たり前と思っていたモノ・コトの消費・需要が減っている。例えば、スーツ、口紅、紙の名刺といったものがそれにあたる。
まず、スーツに関しては、もともと大規模イベント自粛の影響で、学校の入学式・卒業式、企業の入社式が控えられたこともあり、消費が減っていたことに加え、在宅勤務となり出勤する必要もなくなったため、さらに着る機会が減少した。
また、社内会議や客との商談などもオンライン上で行われることが多くなった。パソコンやタブレット画面には、基本、上半身しか映らないため、あえてスーツを着ずに、上半身だけそれなりのシャツなどを着ていれば大きな問題はないという意識の変化が起きていることも要因として考えられる。
また、口紅についても同様で、出勤する必要がないため、女性に最低限の化粧で済ませればよいという意識の変化が起きているように感じる。さらに、基本的に日中、マスクの着用をしていることで、マスクに隠れる部分への化粧の優先度が減ったことと、口紅を塗ることで、口紅がマスクにつくことを避けたいという思いが働いたことも要因として考えられる。
さらに、名刺に関しても、対面での打ち合わせや訪問が難しくなったことで、これまでの名刺交換もオンライン名刺交換という新しいスタイルが導入されるようになった。名刺は初対面のあいさつのツールとして、長く定着してきたが、名刺のデジタル化が進むことで、紙の名刺の消費も変わっていくことは避けられないだろう。
その他にも、変わった、変わりつつある消費・需要はまだまだ多くある。当然、通常出勤が再開となれば、これらが再び必要となることは間違いなく、完全になくなることは考えづらい。しかし、新たな働き方が取り入れられることで、当たり前だったモノ・コトが変わることは避けて通れないことだろう。
【会社概要】アタックスグループ
顧客企業1700社、スタッフ220人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡、仙台でサービスを展開している。