講師のホンネ

妻は夫のマイナスポイントをためる

 巷には、5%のポイント還元、ポイントカードなど、ポイントがあふれているように感じます。近頃では離婚してお一人さまの私に、なぜか離婚の相談がよく届きます。離婚後の生活をどうしようか悩んでいる人にとって、良いサンプルだからかもしれません。先日のAさんからの相談も離婚の悩みでした。(上野恵利子)

 これといった大きな事件があったわけではないのに、夫のことが「何か嫌」というのです。男性は女性に比べて忘れやすい脳だといわれています。例えば夫婦で大げんかしても、夫の記憶は次第に薄れていき、その時のネガティブな感情も長くは続きません。

 ところが妻は夫との会話だけでなく、その時の感情までしっかりと覚えていて、夫を見るたびに思い出します。「私が熱を出して寝込んでいるときに、自分だけ外食してきた」「子供の運動会に来ずにゴルフに行った」「私の親の介護の時に何もしてくれなかった」など、一つ一つの出来事は離婚するほどの大きなものではないにしても、それが何十個もたまっていくと、大きな問題となります。

 しかも、妻が夫に対して抱いた不満は、永久不滅ポイントとなります。常に加算されていき、マイナスポイントが減ることはありません。夫はマイナスポイントを作るたびにプレゼントを買い、外食に誘いフォローします。

 ところが、妻にとってソレはソレ、コレはコレでマイナスポイントが減ることはありません。こうしてたまりにたまった妻の不満は、ある日、突然「爆発」します。夫は理由が分からず慌てふためきます。

 また、妻は出来事と感情をセットにして覚えているため、子供の運動会のたびに夫がゴルフに行ったときに感じた腹立ちを思い出し、親の命日が来るたびに、夫が介護に協力せずにつらい思いをしたことを思い出すのです。

 最善となる対処法は、マイナスポイントを作らないことです。妻が熱を出せば、妻の分の食事も用意し、子供の運動会や妻の親の介護にも積極的に参加する努力をします。行けなくて申し訳ない気持ちを言葉に出して妻に悪い思い出として残さない工夫が大切です。「仕事だから仕方ないだろう」「俺も忙しいんだ」などと言うと、マイナスポイントが2倍になるからご注意を。

【プロフィル】上野恵利子

 うえの・えりこ 1965年大阪生まれ。3人の子供を育てながら42歳で看護学校へ入学し資格を取得する。精神科の看護師として働きながら「日本アンガーマネジメント協会」アンガーマネジメントファシリテーターとしても活躍中。心匠セラピストとして心理カウンセリングを行うなど、心の元気を回復するサポートを行っている。

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