話題・その他

経営者の先行き不安顕在化 日本M&Aセンター社長に聞く (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの影響で中小企業の廃業や倒産が相次いでいる。後継者問題を抱え、先行きに不安を感じる経営者が新型コロナを契機に売却を検討するケースが増えている。

 日本M&Aセンターの三宅卓社長に中小企業のM&A(企業の合併・買収)について話を聞いた。

 --新型コロナの感染拡大で中小企業のM&Aの動向は

 「売却を検討している企業が激増している。経済産業省は127万社が後継者不在と試算している。この10年は景気が悪くなく、経営者が後継者問題を先延ばししてきた。新型コロナで経営者の気持ちが変わり、『事業承継型M&A』が大きく加速するとみている。零細企業向けのインターネットによるマッチングも増えると思う」

 --経営者が売却を検討している背景には何があるのか

 「新型コロナによる業績悪化がある。経営改革を行わなかった経営者が子供に継がせるのを不安に感じている。災害や貿易摩擦など経営リスクが多く、今後を考えて、大手の傘下に入ろうというニーズもある」

 事業承継型が加速

 --どのくらいの問い合わせが来ているのか

 「6月から売り手と買い手から問い合わせが急増している。6~8月までの3カ月間で、相談が前年同期比で5~10倍になると見込んでいる」

 --問い合わせが多い業種は

 「売り手は飲食業やホテル、観光業、サービス業が目立つ。製造業は車の生産が止まり、部品会社などがある。買い手はホテル業界が積極的で、破綻する前に買いたいという声が多い。飲食チェーンも目立つ」

 --4、5月の状況は

 「コロナ対応に追われている経営者が多かったが、成約は前年同月と比べて増えた。われわれの商売は顔を合わせないといけない仕事なので心配していたが、全国のサテライトオフィスをうまく活用した。地方の顧客は東京から(人が)来ることを嫌がっていたので、現地の若手がパソコンを持ち運び、テレビ会議でベテランがアドバイスするなど工夫を凝らした」

 --老舗企業の廃業・倒産も相次いでいる

 「100年以上をかけた味や旅館がなくなるのは文化遺産を失うようなもので、もったいない。老舗企業で一番値打ちがあるのはブランドで、これは簡単には作れない。事業売却はやりやすい。譲渡すれば、店や資産も残り、従業員も維持される。M&Aで救われることを多くの経営者に知ってもらいたい」

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus