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カラマツの建材利用広がる 乾燥技術の進化で柱や梁に

 戦後、大量に植えられたカラマツが、新技術で用途が広がり、脚光を浴びている。ねじれやすいために安価な梱包(こんぽう)材に多用されてきたが、乾燥技術の進歩で無垢(むく)材として柱や梁(はり)に使えるように。もともと強度があり、板材を貼り合わせた集成材としては浸透し、新国立競技場にも採用された。スギやヒノキとともに国内の林業を牽引(けんいん)する存在として期待されている。

 ねじれ、割れ抑える

 カラマツの丸太生産量が日本一の北海道。立木の蓄積量は約9000万立方メートルあるが、多くが樹齢50年前後と伐採に適する時期を迎える。有効活用すべく2014年に開発されたのが、道立総合研究機構林産試験場(旭川市)の「コアドライ」という技術だ。

 約115度と約90度の2段階で長時間乾燥し、内部の水分量を均等化。欠点だったねじれや割れを抑え、不可能とされていた無垢材としての利用を実現した。上品な赤みが特徴で、住宅のほか、18年に完成した当麻町の新庁舎にも活用。柱と梁が縦横に広がる大胆な設計も相まって全国から視察が相次ぐ。

 生産を担う栗山町ドライウッド協同組合の後藤正嗣外販担当次長(62)は「『良くても土台』と思っていたが、柱に使えるのは画期的。本州に販路を拡大したい」と意気込む。

 寒さに強く成長が早いカラマツは戦後、北海道や青森、岩手両県などで植林が進んだ。高い強度と耐久性で、道内は主に鉱山の坑道の支柱や枠材に、本州では土木材や梱包材などに重宝された。

 新国立競技場に採用

 強度を生かし、集成材としてはすでに導入が進む。東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場では、巨大屋根の一部に山梨県産カラマツを採用。また、体操会場の有明体操競技場でも梁に北海道と長野県産が選ばれた。

 住友林業が41年に完成を目指す、東京・丸の内の地上70階、高さ350メートルの超高層木造ビルでも、骨組みに使う予定だ。住友林業筑波研究所(茨城県つくば市)の磯田信賢チームマネジャー(48)は「強度が高く、木材を減らしてコストを抑えられる。中大規模の木造建築は徐々に増えており、利用は広がる」と力説する。

 同社は1月、福島県南会津町に樹木育苗センターを開設。北海道紋別市や群馬県みどり市も含め、計3カ所で年間約50万本の生産に取り組む。

 農林水産省によると、カラマツの生産量は00年の約158万立方メートルから、18年に約225万立方メートルに増加。丸太価格は上昇傾向で、近年の全国平均は1立方メートル当たり1万2000円近くで推移する。林野庁木材産業課の近藤昭夫課長補佐(42)は「カラマツは今や価格や品質面でも外国産材と戦える」と話している。

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