テクノロジー

レーザーで宇宙ごみを除去 世界初の衛星開発へ

 スカパーJSATや理化学研究所などは11日、宇宙ごみをレーザーで除去する世界初の人工衛星を開発すると発表した。2026年にも運用を開始し、宇宙関連の機関や企業などを対象に商業化を目指す。

 宇宙ごみは使用済みの人工衛星やロケットの残骸で近年増加しており、大きさが1センチ以上のものは90万個を超える。高速で飛行し、人工衛星などに衝突して破壊する恐れがあり、宇宙空間を持続的に利用する上で脅威となっている。

 開発するのは重さ数百キロ以下の小型衛星を想定。微弱な出力のレーザーを短時間ずつ繰り返し発射する。レーザーが当たると宇宙ごみが押されるように動き出す現象を利用し、徐々に高度を下げて大気圏に突入させて燃やす。

 宇宙ごみの除去技術は近年注目されており、国内では川崎重工業やベンチャー企業の「アストロスケール」などが、他の方式で開発を進めている。

 レーザーを使えば、宇宙ごみに直接触れる必要がないので衝突などの恐れが少なく、経済的でもあるといい、スカパーJSATの米倉英一社長は「宇宙ごみは海洋汚染と同じ環境問題だ」と開発の意義を強調した。

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