三菱電機は15日、2022年6月をめどに液晶事業から撤退すると発表した。液晶を生産している完全子会社メルコ・ディスプレイ・テクノロジー(熊本県菊池市)は清算する方向という。社員はグループ企業内で配置転換し、雇用を維持する。中国や韓国の企業との国際的な価格競争の激化で、事業の維持が困難になったとしている。
三菱電機は工場の製造機器や建設機械などの産業向け、カーナビなど自動車向けの液晶を製造してきた。撤退後は自社製品に搭載する液晶を外部から調達する。
メルコは02年設立で、20年3月末時点の社員は約430人。撤退に伴う三菱電機の業績への重要な影響はないとしている。三菱電機の液晶事業の売上高は20年3月期に285億円だった。